改善は「現場を知ること」から ──WEB入会システム構築プロジェクト
プロジェクト概要
入会希望者からの資料請求対応、書類の発送・確認・データ入力、審査結果の電話フィードバック──全国のオークション会場スタッフが担っていた入会手続きの工程を削減するべく立ち上がったのが「WEB入会システム構築プロジェクト」です。
システム部の磯崎さんが約11ヶ月をかけて取り組んだ本プロジェクトの全容をご紹介します。
課題
ユー・エス・エスのオークション会場は全国に展開しており、どの会場でも週1回オークションを開催しています。会場によっては1日で2万台もの車両が出品される中、会場スタッフは出品に関する手続きだけでも膨大な工数をとられていました。加えて、入会希望者への対応業務も並行して行っており、稼働は限界に近い状況に。
繰り返しの作業や、人を介さなくても問題ない工程をデジタルに寄せることで、スタッフの負担を軽減するべく、「WEB入会システム構築プロジェクト」がスタートしました。
取り組み
新運用フローの見える化と、全会場へのヒアリング
最もリソースを割いたのが、開発着手前の準備フェーズです。会場ごとに運用が統一されていない工程もあるため、まずは現行の運用フローを基に「WEB化することで何が変わるのか・どこが既存のままなのか」を資料にまとめ、新運用フローを見える化しました。
次に、その資料をもとに全会場へのヒアリングを実施。運用が変わる箇所や懸念点をオークション運営本部に正確かつ迅速に認識してもらうことを優先しながら、並行してワイヤーフレーム(画面設計図)を作成・完成させました。
プロジェクトの進め方
1〜2までで4ヶ月、3〜6までで7ヶ月を要し、全体で11ヶ月に及びました。
- 全会場へのヒアリング・新運用フロー資料作成
- オークション運営本部との仕様調整・ワイヤーフレーム作成
- 開発ベンダーへの見積手配・発注
- 設計〜テストの各レビュー・受入テスト
- 全会場への説明会実施・デモ版操作時の機能調整
- 導入・導入後フォロー
多様なステークホルダーとの連携
本プロジェクトは法的な手続きや規約が変更になる箇所も多く、オークション運営本部・各会場・入退会担当部署・経理・開発ベンダーなど、多くの関係者と連携しながら進めました。
普段は開発ベンダーとのやり取りが中心ですが、今回は会場スタッフとのコミュニケーションも多く必要だったこともあり、コミュニケーションエラーが起きないよういつも以上に細心の注意を払いました。
磯崎さんは、プロジェクト開始当初、現状の入会手続きフローを初めて聞いたとき「こんなに多くの工程を踏んでいるのか」と驚いたと言います。だからこそ、WEB入会システムを導入した際に現場が混乱しないよう、機能を丁寧に準備し、事前説明を徹底することへの意識が高まりました。
結果・成果
2026年8月時点では導入からまだ日が浅いため、定量的な成果の計測はこれからですが、会場スタッフからは、早くも「入会案内が楽になった」という嬉しい声が複数届いています。
さらに、想定外の波及効果も生まれました。IT戦略部が推進するマーケティング施策のコンバージョンポイント(成果地点)としても機能するという声も挙がっており、このプロジェクトが直接関わった領域を超えて、よい影響が広がりはじめています。
このプロジェクトで得られる経験
全会場へのヒアリングから要件定義、ベンダーコントロール、導入後フォローと、上流から下流まで一気通貫で関われる経験が積めます。丁寧なコミュニケーションと設計を大切にしながら、多様なステークホルダーを巻き込んでプロジェクトを前進させたい方に、ぜひ読んでいただきたいプロジェクト事例です。